人はどこで心と心がつながるのでしょうか? 同じ目標やプロジェクトに向って労し、特にそれが完成した時などは一体感が生まれます。また似たような考え方を持っている者同士ですとある種一体感がやはり生まれてきます。しかし、最も人がつながる要因となるのは感情なのです。
不和の絶えないあるご夫婦が相談に見えました。別々に話を聞いてみました。
ご主人の話を聞いていて浮かんでくる奥さんは「赤鬼?」のようなイメージです。
次に、奥さんの話を聞いていて浮かんでくるご主人は「悪魔?」のようなイメージなのです。
するとこの家には「赤鬼」と「悪魔」がいることになってしまいます!?
そこで奥さんに「何か話しをされたら最後に感情を表すことばを入れてください」と言いました。
例えば「あなたが早く家に帰ってくれないので、寂しい」とか「あなたがそう言うと私は悲しくなる」といったようにです。
その奥さんは「そんなことは何度もやりました」と言わんばかりの半ばあきらめ顔で「とにかくやってみます」と言って帰りました。
しばらくしてその奥さんが来られておっしゃったのは「取りあえず言われたように感情を表すことばを入れて話してみました。
すると主人はこう言ったのです。『そんなことだったらもっと早く言ってくれれば良かったのに』」ということでした。
その奥さんは何度も言っているつもりでしたが実際には自分の気持ちはほとんど伝わっていなかったのです。
これはコミュニケーションの問題にもなりますが私達が「この人と心がつながっている」あるいは「分かってもらえた」と実感するのは「感情」の部分によるものが大きいのです。
逆に時間やエネルギーをかけているのになかなか相手と親密で良い関係が築けない理由の一つは「感情」の部分によるものかもしれません。
「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい」(ローマ12:15)
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