マリヤは、エリサベツの言葉に応える様にして、歌を歌いました。
これが最初のアドベントの讃美歌の誕生と言っても良いでしょう。
このマリヤの歌は、ラテン語の最初の言葉をとって、マグニフィカートと呼ばれ、長い教会の歴史の中でも、とても大切に歌われ続けてきた歌です。
マグニフィカートとは、「あがめる」という言葉ですが、それは「大きくする」という言葉から来ています。
つまり「わたしの魂は主を大きくする」とマリヤは歌い始めたのです。そして、続いて「わが霊は、わが救い主なる神を喜びたたえます。」と歌います。
「神を喜ぶ」と歌うのです。
マリヤは、神様を大きくし、神を喜ぶと歌ったのです。
実に素晴らしい讃美です。
私たちは、しばしば神ではなく自分を大きくしようとすることがあります。
神を賛美しながら賛美している者が大きくなるという誘惑です。
結果、神様を小さくしてしまうのです。
私を小さくして、神様を大きくするということは、神様の大きなみ業に圧倒され、神様の大きな御心に圧倒され、自分の小ささを思い知らされる。
そして、大きな神様の御手の中に自らを委ねるということです。
マリヤは、自分の小ささを思い知らされたからと言ってここで少しも卑屈になっていませんし、引っ込んでもいません。
我が身に起きた、神様の大きな御業、私のような者をも心にかけ、いつくしんで下さる神様の大きなあわれみを、声を大にして誉め讃えているのです。
私たちは、この讃美歌を、マリヤの歌としてではなく、私の歌として歌える者として召されていると言えないでしょうか。
その時に「我が歌、マリヤの賛歌」となるのです。
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