きょうの説教題は「ほんとうの感謝」です。
ほんとうの感謝があるなら「にせの感謝」もあるわけです。
ここには、二人の登場人物が出てきます。
ひとりはパリサイ人、もうひとりは取税人です。
パリサイ人と取税人は、まるで正反対の立場にある人でした。
このパリサイ人と取税人の二人が同時に神殿に行きました。
そしてそれぞれに祈りをささげました。
この二人の人の祈りにはどんな違いがあったのでしょうか?
パリサイ人の祈りは堂々としていましたし、感謝もささげています。
しかし祈りの内容はいかに自分は正しく素晴らしい者であるかということであり、それは、神に向かっての祈りではなく、人に向かう祈り、人を非難する祈りでした。
ポーズは神に向かっているようで心は人に、自分に向かっていたのです。
それは高ぶった祈りでした。
一方取税人の祈りは態勢としてはうつむいて、胸をかきむしるようにして祈ったのです。
祈りの内容は自分の罪深さ加減に打ちのめされ、やっと言えたことばは「こんな罪人の私をあわれんでください。」でした。
これは悔い改めの祈りでした。
そしてこれがもっとも大切なことですが神はどちらの祈りを受け入れられたのかと言うなら取税人の祈りでした。
取税人にとって罪が赦されることが本当の感謝であったのです。
クリスチャンにとっては「すべては感謝です」しかし感謝には「ほんとうの感謝」と「にせの感謝」があります。
何がどんなふうに感謝なことだったのか、神が一体、私に何をしてくださり、私はそのことによって何を学んだのだかを、ひとつひとつ振り返って心に留めることがなければ、それは、ほんとうの感謝にならないのではないでしょうか。
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